Policy Studies CourseLaw and 6法学?政策学履修コースCOURSE REPORTSTUDENT VOICE法学?政策学履修コース昼間主コースこばやし小林 みのりクラーク高等学院芦屋校出身EHIME UNIVERSITY FACULTY OF LAW & LETTERS刑法総論Iへの招待 刑法総論では、刑法の機能や刑法の沿革といった「刑法そのもの」についても学びますが、メインは「犯罪論」です。刑法総論においてイメージするべき「犯罪」は、「一般概念としての犯罪」、すなわち、個々の犯罪類型を包括する上位概念としての一般的な犯罪概念です(殺人罪や窃盗罪といった「個別類型的な犯罪」をイメージする人も多いでしょうが、それは刑法各論においてイメージするべき「犯罪」です)。この一般的概念の解明を行う部分を「犯罪論」といいます。 「犯罪論」は、犯罪論体系を構築するという目的がありますが、それには、法実務家の判断をコントロールし、判断のガイドラインを提供するという意味があります。この授業では、教科書に沿って著者の思考をトレースすることで、どのような「体系」が構築されているのかを知ることがひとつの目標になりますが、さらに進んで、ひとつの問題(たとえば、Aを殺害するつもりが、攻撃がそれて関係のないBに当たり、Bを死亡させた場合の罪責)でいいので、「自分はどう考えるか」を探求してもらえたら、講義を担当する者にとってとても嬉しいことです。 私は社会秩序や国家制度の普遍性に興味があります。「法」はこれらの関心を深めるのに最も適した学問だと考えたため、法学を勉強しています。中でも刑法は秩序維持?国家権力などとのつながりが深いと思い、刑法の基礎である刑法総論を受講しました。教科書や判例の内容は決して簡単ではありませんが、この授業を通じて法学の奥深さに触れ、面白さを感じることができました。さらに、刑法総論では学んだことを活かして自分なりの考えをまとめる力が求められます。法的な思考力だけでなく、他の法律?政治?経済の科目においても必要な種々の能力をも養うことができたと思います。た がわ やすひろ田川 靖紘 准教授刑法体系的思考を学ぶ学習成果を実感
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