Humanities course人文学履修コースCOURSE REPORTSTUDENT VOICE人文学履修コース昼間主コースおおもり すばる大森 昴愛媛県立松山北高等学校出身EHIME UNIVERSITY FACULTY OF LAW & LETTERS13日本史専門演習IIへの招待 井伊直弼はどんな人物だったのでしょうか? 朝廷を無視して条約を結び反対派を弾圧した国賊? それとも国難に立ち向かい日本を開国に導いた英雄? 立場の違う史料を読み解くと全く異なる結論にたどりつきます。新しい史料を発見すれば、未知の歴史に出会うこともできます。皆さんは、未来の歴史を創るだけではなく、過去の歴史を創ることもできるのです。正しい歴史的事実を明らかにし、現代の日本が進むべき道標を示すことは、日本史研究の本質だと思います。そのために、過去の人々が記した古文書を解読し、古文書の真偽を判断し、史料内容の真実を見極め、自分なりの歴史像を創り出していく訓練を本授業で行っています。 本ゼミでは、授業や資料調査で四国遍路や庄屋家の史料を読むことで、くずし字解読や史料読解の力を付けることができ、私自身、楽しく史料を読んでいます。原本の史料に学ぶことで、研究をする際、誰も使っていない史料を用いることも可能になります。授業や調査で得た読解力や思考力は、研究面だけでなく、将来様々な場面で役立つと思います。 井伊直弼を支えた南紀派と呼ばれる大名グループには、松山藩主松平勝成がおり、反対の一橋派には宇和島藩主伊達宗城が組していました。伊予には八つも藩があり、多様な歴史と史料を持ち、歴史研究の素材には事欠きません。藩は、現在の言語や文化、産業などにも影響を与え、近世に本格化する四国遍路や祭礼は今も盛んです。現代社会の原点である近世史を、史料から直接学び、史料の大切さを知り、伝えていく。楽しく、ともに歴史の扉を開いてみましょう。えべすひかる胡 光 教授日本史古文書から歴史を発見史料に学ぶ日本史学
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