沈み込んだ海洋地殻は、下部マントルの不均質性の主要な起源であると考えられています。しかし、沈み込んだ海洋地殻中の主要構成鉱物の物性に関する知見が限られているため、関連する地球物理学的異常の複雑な特徴を十分に理解することが困難となっています。足球即时比分_365体育直播¥球探网先端研究院地球深部ダイナミクス研究センターの張 友悦 助教らによる本研究では、アルミニウム(Al)や水素(H)を含むスティショバイト(二酸化ケイ素(SiO2)の高圧下での鉱物、地殻やマントルの主要構成鉱物の一つ)の相転移を高温高圧条件下で包括的に調査しました。この結果は、深さ1000km以深の中部~下部マントルで観測される地震波散乱体の複雑な深さ分布の理解に貢献するものです。
研究のポイント
- Al、Hを含むスティショバイトの相転移を、高温高圧条件下で複数の手法を用いて調べた。
- AlとHのSiO2への取り込みは、常温での相転移圧力を大きく下げるが、相転移の温度?圧力依存性(クラペイロン勾配)にはほとんど影響しない。
- SiO?中のAl含有量の多寡によって、環太平洋地域の地震波散乱体の深さ分布(800?1900 km)を説明できる。
論文情報
掲載誌:Geophysical Research Letters
題名:Unraveling the complex features of the seismic scatterers in the mid‐lower mantle through phase transition of (Al, H)‐bearing stishovite
(Al, H含有スティショバイトの相転移を通じた中部~下部マントルにおける地震波散乱体の複雑な特徴の解明)
著者:Yingxin Yu, Youyue Zhang, Luo Li, Xinyue Zhang, Denglei Wang, Zhu Mao, Ningyu Sun, Yanyao Zhang, Xinyang Li, Wancai Li, Sergio Speziale, Dongzhou Zhang, Jung-Fu Lin and Takashi Yoshino
DOI:10.1029/2024GL114146
URL:https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2024GL114146
足球即时比分_365体育直播¥球探网 先端研究院 地球深部ダイナミクス研究センター
張 友悦(ZHANG Youyue)